私達が住んでいる場所は、可能性の海。
あらゆる可能性が大海のなかで自由にたゆたい、あそび、戯れ、そして離れていく。
可能性の一つであるあなたは、自分が海にいることに気が付く。
あらゆる可能性たちといっしょになってあそんでいる。
だけどあるときに、どれかの可能性をひとつ手に取ってみる。
それは偶然なのか、必然なのか、そのときにはわからない。
とにかく、あなたがある可能性を選んだなら、その可能性は突然形を結び始める。
不定形だった可能性は、となりの可能性と結びつきどんどんと重なり、やがて陸となり、大地となり、あなたはそこにおりたつ。
ひとつの大地に安定したあなたは、自分のいる場所が最初からあったのだと信じて疑わない。
その大地の上に根をおろし、家を作り、暮らしている。
すべてが満足しているわけじゃないけど、まあまあ快適だ。
そしてあるとき、気づきがやってくる。
あれ?
どうして自分はここにいるんだろう?
いつからここにいるんだろう?
自分は何者だろう?
そして声があなたに聞こえる。
あなたが選んだのだ。
あなたがその可能性を選んだのだ。
これはあなたがはじめたことなのだ。
可能性によってつくられた大地は、そのことに気が付いた途端、ゆらぎはじめる。
なぜこの可能性のなかで人生を展開しているのだろう?
なぜ私はこの可能性を選んだのだろう?
そしてなによりも
他の可能性はどこにいってしまったのだろう?
大地はゆらぎ、波は高くなる。
そしてあなたの旅がはじまる。